2011年 05月 25日
地区計画のルール |
下北沢の地区計画を変更したいと思っている。
下北沢の地区計画は新規道路の事業認可が下りるのとほぼ同時の、2006年の10月に都市計画審議会に承認され、同年12月に告示された。それから4年半が過ぎ、町の変化をみていて、僕はこのルールを少しでも改善したいと、今真剣に思っている。このところ心の隅で、ずっとこのことを考えていたら、昨日の明け方夢をみた。で、忘れない内にスケッチをしたのが上の写真だ。
これ↑が左ページを拡大したもの。これは「1.」が下北沢の以前の街並みのイメージ(少し整い過ぎているという批判はあるかもしれない。確かにこんなにきれいな街並みではないね)。以前の街並みは道路斜線制限の存在により、建物の道路際が斜めにカットされていた。だから斜めの屋根があり、道路際では建物はほぼ3階程度しかない。
そして「2.」が現在。道路斜線が撤廃されたことにより、ポツポツと7階建てのビルディングが建ちはじめている。どこが変わったかがわかりやすいように、現在建っているビルは灰色系の色で塗ってみた。
さて、こちらは右ページの拡大。「3.」は今のルールのままでこのまま建物が更新されつづけたときのイメージ図である。建物はすべて四角い7階建てとなり、道はわずかに1メートル程度拡がるだけだ。つまり道路際からみた建物がすべて7階建てになるので、今の2倍以上のビルがそそり立っているようにみえるし、道路を歩いていると井戸の底をあるいているような暗い町になってしまうのがとても嫌である。
対して、「4.」は改善案。建物を完全な容積(400%くらいが良いのではと思う)で制限し、土地を広くまとめた時に高すぎる建物ができてしまうことを制限するため、最高高さ制限を30m程度にしてはどうだろうというのが、その骨子である。要は樹木やパラソルが描いているような、外に開放された「息が抜ける場所」が積極的に出来るようなルールにしないと、井戸の底を歩いているような状況にどんどんなっていってしまうので、その部分を何とか改善したいと考えてみたということである。建物を敷地一杯に建てた場合は5階建てくらい(一点鎖線)の高さになり、最高高さは9階建てくらいということになるだろう。1点鎖線を越えている灰色系のビルは現在のルールですでに建ってしまっているビル。ルールを変更すると、今後は建てられない容積をすでに得ていることとなり、そういう建物を僕ら建築の世界では「既存不適格建物」と呼びます(もちろん今後、もしルールを変えるならという意味、現在はもちろん適法の建物です)。
少し難しい内容を含んだ提案なので、今後もスケッチを描きながら、少し丁寧に説明を続けてみたいと思います。
下北沢の地区計画は新規道路の事業認可が下りるのとほぼ同時の、2006年の10月に都市計画審議会に承認され、同年12月に告示された。それから4年半が過ぎ、町の変化をみていて、僕はこのルールを少しでも改善したいと、今真剣に思っている。このところ心の隅で、ずっとこのことを考えていたら、昨日の明け方夢をみた。で、忘れない内にスケッチをしたのが上の写真だ。
これ↑が左ページを拡大したもの。これは「1.」が下北沢の以前の街並みのイメージ(少し整い過ぎているという批判はあるかもしれない。確かにこんなにきれいな街並みではないね)。以前の街並みは道路斜線制限の存在により、建物の道路際が斜めにカットされていた。だから斜めの屋根があり、道路際では建物はほぼ3階程度しかない。
そして「2.」が現在。道路斜線が撤廃されたことにより、ポツポツと7階建てのビルディングが建ちはじめている。どこが変わったかがわかりやすいように、現在建っているビルは灰色系の色で塗ってみた。
さて、こちらは右ページの拡大。「3.」は今のルールのままでこのまま建物が更新されつづけたときのイメージ図である。建物はすべて四角い7階建てとなり、道はわずかに1メートル程度拡がるだけだ。つまり道路際からみた建物がすべて7階建てになるので、今の2倍以上のビルがそそり立っているようにみえるし、道路を歩いていると井戸の底をあるいているような暗い町になってしまうのがとても嫌である。
対して、「4.」は改善案。建物を完全な容積(400%くらいが良いのではと思う)で制限し、土地を広くまとめた時に高すぎる建物ができてしまうことを制限するため、最高高さ制限を30m程度にしてはどうだろうというのが、その骨子である。要は樹木やパラソルが描いているような、外に開放された「息が抜ける場所」が積極的に出来るようなルールにしないと、井戸の底を歩いているような状況にどんどんなっていってしまうので、その部分を何とか改善したいと考えてみたということである。建物を敷地一杯に建てた場合は5階建てくらい(一点鎖線)の高さになり、最高高さは9階建てくらいということになるだろう。1点鎖線を越えている灰色系のビルは現在のルールですでに建ってしまっているビル。ルールを変更すると、今後は建てられない容積をすでに得ていることとなり、そういう建物を僕ら建築の世界では「既存不適格建物」と呼びます(もちろん今後、もしルールを変えるならという意味、現在はもちろん適法の建物です)。
少し難しい内容を含んだ提案なので、今後もスケッチを描きながら、少し丁寧に説明を続けてみたいと思います。
by kenzo_stsk
| 2011-05-25 21:27
| ・地区計画