2013年 01月 14日
僕が「プリキュア」を嫌いなわけ(その2) |
昨日は松原一丁目の「松一会館」にいった。
次女の通う保育園が来年「年長組」となるため、全員に役職を割り振って一年をどう乗り切るか?という打ち合わせをするための会合があったからである。会場は文字通り「松原一丁目」にある「松一会館」。ここは畳敷きの大広間に地域の演芸大会ができる程度の小さな舞台がついた会場で、こどもたちが多少動き回ってもそれほど気にならない広さをもったとても良い場所である。でもまあ、集合12時で17時までと5時間におよぶ「世間話」主体の場はさすがに体力の有り余った5歳児たちには退屈だったようで、後半はもう制御しきれないほどの『運動場』と化していた。「このままでは怪我人がでるかも」と、嫌な予感がしたので、次女に命じてこどもたちを舞台上に集めた。全員の動きを一時止めて落ち着かせ、最初の『おとなしいモード』に切り替えるのが目的であった。
何の話もせずにいたのでは、こどもたちを集めた手前、間が持たないので簡単な「質問」をして、会話を試みてみた。
「えーっと、パパからひとつ質問がありま~す。この中でアンパンマンが好きな人!」
「はーい!(と9割方のこどもたちの手が上がる)」
「では、プリキュアが好きな子は?」
「はーい!!~♪ (今度は女子は全員手を上げ、男子はちらほらという感じ)」
「おおー、では将来はプリキュアになりたいなぁって子はどのくらいいますか?」
「はい!はい!(最初に手を挙げた女子はもちろん全員手を上げる)」
「みなさん、うちの娘からもう聞いたことがあるかもと思いますが、じつはおじさんはプリキュアは嫌いです!」
「知ってる~!!(という声がちらほら) すぐに喧嘩するから嫌いなんだよね~!(との声もあり…)」
「でもアンパンマンはそれほど嫌いではありません!!」
「えーー、アンパンマンもすぐに喧嘩するのになんで~!!(ツッコミどころがわかっているなぁ!Good!)」
「えっとそれはね。バイキンマンとアンパンマンはなんで喧嘩していますか?」
「バイキンマンはとにかくアンパンマンをやっつけたいんだよ!」
「そうかなぁ。奴ら大抵食べ物の取り合いとかしてない?」
「ああ、そうだよね。アンパンマンの顔美味しそうだし…。。」
「おじさんはね。アンパンマンたちが喧嘩するのは理由がはっきりしてるからまあいいなあと思うのね。でもプリキュアってなんで喧嘩してるのかわかる?」
「それは、相手が悪だからしかたないんだよ。」とか「変身しないと可愛くならないからかも」とか意見はいろいろ。
「なんかさぁ。とにかくプリキュアたちを絶望させたい!とかってちょっと暗いと思わない?」
「なにが黒いの?(とちょっととんちんかんな質問あり)」
「いや、意地悪すぎないかな?ってことなんだけどね」
「でもそれが悪でしょ(とかなりわかったようなことをいう)」
「おじさんは人に意地悪したいっていうのが喧嘩の理由っていうのはいけないことだと思います!」
「ふ~ん(とちょっと無関心だけど、そんな気持ちなのねぇとわかったような反応アリ)」
最近のこどもたちは「切れやすくなった」とか、大人たちはわかったようなことをいうのだけれど、喧嘩がはじまるギリギリまで我慢していたような気分であるのは誰しも同じこと。もちろん我慢できる時間には個人差があるわけだけれども、例えば「友情」とか「熱意」とかを踏みにじられたのだから、『喧嘩をするのもやむなし』という錦の御旗の下、プリキュアたちはすぐに戦いをはじめる。それって本当に正しいことなのだろうか?自分の正義をかかげる前に、君たちは相手の事情をきちんと理解しようとしている?というところが本来大事なのであって、それらをすべて「悪」という言葉におきかえて、単純に喧嘩を正当化してしまうのは、僕にはどうも納得できないのである。
宇宙戦艦ヤマトがガミラス星についたとき、その生活環境があまりにも劣悪なのをみて「彼らが地球を侵略したいと思った気持ち」を理解し、僕らの戦いは正しかったのだろうか?と自問するヤマトの乗組員たちの心の葛藤が丁寧に描かれていたことから、僕らはどれほど大きく心が揺れたか…。「難しいことをいうなぁ」と思う方もいるだろうとは思うのですが、僕はそういう部分だけはクリエイターとして手を抜いて欲しくないのです。
(つづく…)
次女の通う保育園が来年「年長組」となるため、全員に役職を割り振って一年をどう乗り切るか?という打ち合わせをするための会合があったからである。会場は文字通り「松原一丁目」にある「松一会館」。ここは畳敷きの大広間に地域の演芸大会ができる程度の小さな舞台がついた会場で、こどもたちが多少動き回ってもそれほど気にならない広さをもったとても良い場所である。でもまあ、集合12時で17時までと5時間におよぶ「世間話」主体の場はさすがに体力の有り余った5歳児たちには退屈だったようで、後半はもう制御しきれないほどの『運動場』と化していた。「このままでは怪我人がでるかも」と、嫌な予感がしたので、次女に命じてこどもたちを舞台上に集めた。全員の動きを一時止めて落ち着かせ、最初の『おとなしいモード』に切り替えるのが目的であった。
何の話もせずにいたのでは、こどもたちを集めた手前、間が持たないので簡単な「質問」をして、会話を試みてみた。
「えーっと、パパからひとつ質問がありま~す。この中でアンパンマンが好きな人!」
「はーい!(と9割方のこどもたちの手が上がる)」
「では、プリキュアが好きな子は?」
「はーい!!~♪ (今度は女子は全員手を上げ、男子はちらほらという感じ)」
「おおー、では将来はプリキュアになりたいなぁって子はどのくらいいますか?」
「はい!はい!(最初に手を挙げた女子はもちろん全員手を上げる)」
「みなさん、うちの娘からもう聞いたことがあるかもと思いますが、じつはおじさんはプリキュアは嫌いです!」
「知ってる~!!(という声がちらほら) すぐに喧嘩するから嫌いなんだよね~!(との声もあり…)」
「でもアンパンマンはそれほど嫌いではありません!!」
「えーー、アンパンマンもすぐに喧嘩するのになんで~!!(ツッコミどころがわかっているなぁ!Good!)」
「えっとそれはね。バイキンマンとアンパンマンはなんで喧嘩していますか?」
「バイキンマンはとにかくアンパンマンをやっつけたいんだよ!」
「そうかなぁ。奴ら大抵食べ物の取り合いとかしてない?」
「ああ、そうだよね。アンパンマンの顔美味しそうだし…。。」
「おじさんはね。アンパンマンたちが喧嘩するのは理由がはっきりしてるからまあいいなあと思うのね。でもプリキュアってなんで喧嘩してるのかわかる?」
「それは、相手が悪だからしかたないんだよ。」とか「変身しないと可愛くならないからかも」とか意見はいろいろ。
「なんかさぁ。とにかくプリキュアたちを絶望させたい!とかってちょっと暗いと思わない?」
「なにが黒いの?(とちょっととんちんかんな質問あり)」
「いや、意地悪すぎないかな?ってことなんだけどね」
「でもそれが悪でしょ(とかなりわかったようなことをいう)」
「おじさんは人に意地悪したいっていうのが喧嘩の理由っていうのはいけないことだと思います!」
「ふ~ん(とちょっと無関心だけど、そんな気持ちなのねぇとわかったような反応アリ)」
最近のこどもたちは「切れやすくなった」とか、大人たちはわかったようなことをいうのだけれど、喧嘩がはじまるギリギリまで我慢していたような気分であるのは誰しも同じこと。もちろん我慢できる時間には個人差があるわけだけれども、例えば「友情」とか「熱意」とかを踏みにじられたのだから、『喧嘩をするのもやむなし』という錦の御旗の下、プリキュアたちはすぐに戦いをはじめる。それって本当に正しいことなのだろうか?自分の正義をかかげる前に、君たちは相手の事情をきちんと理解しようとしている?というところが本来大事なのであって、それらをすべて「悪」という言葉におきかえて、単純に喧嘩を正当化してしまうのは、僕にはどうも納得できないのである。
宇宙戦艦ヤマトがガミラス星についたとき、その生活環境があまりにも劣悪なのをみて「彼らが地球を侵略したいと思った気持ち」を理解し、僕らの戦いは正しかったのだろうか?と自問するヤマトの乗組員たちの心の葛藤が丁寧に描かれていたことから、僕らはどれほど大きく心が揺れたか…。「難しいことをいうなぁ」と思う方もいるだろうとは思うのですが、僕はそういう部分だけはクリエイターとして手を抜いて欲しくないのです。
(つづく…)
by kenzo_stsk
| 2013-01-14 06:52
| ■社会