2017年 11月 05日
嫉妬と浮気 |
昨日(3日)の朝、ぼんやりとNHKを見ていた(以下番組の内容に関わる部分があります。面白い番組なので、是非先入観なくと思われる方はこの先には進まないことをお奨めします)
番組の名前は「チコちゃんに叱られる」。番組の構成としては、5歳のチコちゃんという女の子の素朴な疑問に、大人たちは答えられるか?という問答形式の番組。的外れな回答をした大人たちは、ちょっと知ってることを自慢したいチコちゃんに『ボーっと生きてんじゃねーよ!』と叱れてしまいます。
今回の番組でも普段なんとなく使っていた言葉の言語史的な意味や生物の進化についてなど数々の難問が出され、答えに窮する大人たちが悶絶しておりました。
さて、そんな質問の中で今回僕が特に「なるほどなぁ」と感心したのは、『どうして男と女がいるの?』という生物の発生と進化に関する根源的な質問。もちろん「子孫をつくって種を生き残らせるため」という単純な回答でも全くの間違いではないのでしょうが、「細胞分裂で自身をコピーすることによって増殖するという方法が、生物が最初に獲得した生き残りの方法であり、はじめオスは存在しなかった」という事実を聞くと、この疑問がそんな単純な回答では不充分であるということに気づかされます。実はその後の長い歴史の中で、気候変動や病原菌による絶滅の危機などを経験する中で、同種のコピーだけではその危機を回避できないこととなり、種の多様性を発達させる手段としてオスが創造されていくというのがその答えらしいのです。
僕はそんな話をきいて、メスの獲得のためにオス同士が対決し、より強い個体の子孫が生き残っていくというルールも、やがては子孫同士も生き残りをかけた対決をしていくのだという現実を前に、自分と同様に強いオスから生まれる兄弟の発生を拒むメスの本能(嫉妬)も、種の多様性を確保するために異なったメスとの繁殖を求め続けるオスの習性(浮気)も、すっかり生物学的に理由のあることなのだと気づき、目からうろこが落ちるような気がしたのでした。
ひさしぶりに良い番組に出会えて、とても充実した朝でした。今後も楽しみにしたいと思います!
by kenzo_stsk
| 2017-11-05 00:14
| ■生活