2006年 04月 10日
専門家たち |
下北沢フォーラムの「市民案」発表会があった。
9日の午後、代沢小学校の体育館には、堅い話にもかかわらず、下北沢の将来に興味をもつ150名を超える「市民」が集まった。前半は下北沢をめぐる都市計画の問題点と、行政案も含めた多くの提案がなされてきた経緯の説明とともに、2~3月にかけておこなわれた代案検討ワークショップの説明と、その成果としてまとめられた「市民案」の発表。後半は専門家15名からなる意見交換の後に、蓑原敬さんを筆頭に23名の専門家が連名して、行政に提出される「緊急アピール」が読み上げられた。
「市民案」概要は、
1.新規道路補助54号線に関しては小田急線よりも西側に関しては早期につくる意味が見出せないため、第3期工区とする
2.建物の高さを22mと16mに制限するという地区計画素案の提案は支持するが、土地をまとめたときにあたえられる例外的な緩和措置(45m・60m)は廃止する
3.茶沢通りと駅との連絡を確保し、バス・タクシーへの乗り換えをスムーズにする。(交通広場を茶沢通りと小田急線の交点付近に設けるA案と、駅前を経由して井の頭線土手を整備した跡にできるスペースに、ミニバスやタクシーのみのための一方通行の順回路をつくるというB案)
4.駅前広場は人が集まる場所として整備し、車はできるかぎり制限する
5.防災に対する備えは小田急線跡地を災害時の避難路、延焼防止帯として機能させることとし、緑の防災遊歩道を早期に整備する。(同時に防火水槽を埋め込んだポケットパークを各所に適切に配置する)
といった感じ。(詳細は下北沢フォーラムのホームページでご確認ください) 行政案が示している計画では、短期における効果が期待できないため(交通渋滞の解消や防災の問題など)、今回の事業において実質的に街の問題点を解決することに主眼をおいた案のようにみえた。
いや、すごいことになったものである。メンバーは関東圏の都市計画に関する研究者オールスターズといった感じ。これだけのメンツが意思を統一し、行政の計画に異議を申し立ててくれたということにまずは敬意を表したい。専門家たちが今後の日本の都市計画を変える必要性を示し、真摯におこなった投げかけに、行政側が誠意をもった対応を示してくれることを望む。
PS:いまごろになって門外漢である専門家がなにを偉そうにと、とらえる向きもあるかもしれない。そんな方のために、専門家の一人が打ち上げでいっていたことをここにメモしておくことにする。「金子さん、あなたもこの件に関しては相当な時間や労力をつぎ込んでいることに敬意を表しますが、僕はここでやっていることは、本来仕事であることをボランティアでやっているという意味で、とてもきびしいんですよ。それに世田谷区からの仕事は当分ないと思いますしね。」正しいことを正しいということは、時に大変である。専門家もただ、かっこつけて壇上にいるわけではないのだ。
9日の午後、代沢小学校の体育館には、堅い話にもかかわらず、下北沢の将来に興味をもつ150名を超える「市民」が集まった。前半は下北沢をめぐる都市計画の問題点と、行政案も含めた多くの提案がなされてきた経緯の説明とともに、2~3月にかけておこなわれた代案検討ワークショップの説明と、その成果としてまとめられた「市民案」の発表。後半は専門家15名からなる意見交換の後に、蓑原敬さんを筆頭に23名の専門家が連名して、行政に提出される「緊急アピール」が読み上げられた。
「市民案」概要は、
1.新規道路補助54号線に関しては小田急線よりも西側に関しては早期につくる意味が見出せないため、第3期工区とする
2.建物の高さを22mと16mに制限するという地区計画素案の提案は支持するが、土地をまとめたときにあたえられる例外的な緩和措置(45m・60m)は廃止する
3.茶沢通りと駅との連絡を確保し、バス・タクシーへの乗り換えをスムーズにする。(交通広場を茶沢通りと小田急線の交点付近に設けるA案と、駅前を経由して井の頭線土手を整備した跡にできるスペースに、ミニバスやタクシーのみのための一方通行の順回路をつくるというB案)
4.駅前広場は人が集まる場所として整備し、車はできるかぎり制限する
5.防災に対する備えは小田急線跡地を災害時の避難路、延焼防止帯として機能させることとし、緑の防災遊歩道を早期に整備する。(同時に防火水槽を埋め込んだポケットパークを各所に適切に配置する)
といった感じ。(詳細は下北沢フォーラムのホームページでご確認ください) 行政案が示している計画では、短期における効果が期待できないため(交通渋滞の解消や防災の問題など)、今回の事業において実質的に街の問題点を解決することに主眼をおいた案のようにみえた。
いや、すごいことになったものである。メンバーは関東圏の都市計画に関する研究者オールスターズといった感じ。これだけのメンツが意思を統一し、行政の計画に異議を申し立ててくれたということにまずは敬意を表したい。専門家たちが今後の日本の都市計画を変える必要性を示し、真摯におこなった投げかけに、行政側が誠意をもった対応を示してくれることを望む。
PS:いまごろになって門外漢である専門家がなにを偉そうにと、とらえる向きもあるかもしれない。そんな方のために、専門家の一人が打ち上げでいっていたことをここにメモしておくことにする。「金子さん、あなたもこの件に関しては相当な時間や労力をつぎ込んでいることに敬意を表しますが、僕はここでやっていることは、本来仕事であることをボランティアでやっているという意味で、とてもきびしいんですよ。それに世田谷区からの仕事は当分ないと思いますしね。」正しいことを正しいということは、時に大変である。専門家もただ、かっこつけて壇上にいるわけではないのだ。
by kenzo_stsk
| 2006-04-10 16:11
| ■都市計画