2009年 12月 26日
電気VSガス(その3) |
昨日の続きをかきます(ちなみにこのテーマの第一回はこちら)
前回はガス会社が画期的な新製品の開発をして、電力会社の攻勢に楔を打ち込んだという話をした。僕は電力会社が仕掛けたガス会社への料金戦争を、決して快くは思っていないのだけれど、結果としては、ガス会社の持った危機感が新しい製品の開発に向ったという意味では、この切磋琢磨自体を否定はしない。文明とはこのようにして進歩していくものだとさえ思うからである。
ところで、そもそも何故今回のテーマを書こうと思い立ったかというと、電気料金のシステムが少しおかしと思ったのがきっかけでした。
現在エコキュートなどの設備(深夜に沸かしたお湯をためて、日常の給湯をまかなうシステム)をつかって積極的に深夜電力を使おうとした場合の電気契約としては「電化上手」「おトクなナイト8」「おトクなナイト10」などからのセレクトということになるのだけれど、これらは安い深夜料金システムを利用出来る変わりに、規定時間以外(昼間)につかう電気料金は一般の3割増し程度と高い設定になっている。
自分の生活形態(昼型か夜型か)に合わせて、契約を検討する人たちにとって、昼と夜の電気料金がバーターになっていることは多分全然不思議なことではないし、そうしないことには、積極的な電気の夜間利用を促せないので、当然の制度なわけだけれど、建物を建てるときに、安い夜間料金を利用しようと設備投資をする人にとっては、その意味あいは少し変わってくる。
そもそも、夜間電力の利用率を高めて、昼の発電ピークを低く抑えたいというのは、発電効率をあげたい電力会社(もしくは国策としての)の都合であって、利用者側の都合ではない。であるのならば、わざわざ設備投資までして、夜間電力がつかえるように協力しようという人の昼の電気料金を一般より高くするというのは、少しおかしいのではないかと思うのである。というか、多くの一般的な主婦にとっては、昼の時間帯も家にいるわけで、この部分でバーターされてしまったのでは、設備投資して夜間電力を利用しようという意欲はそがれてしまうであろうし、設計士としても、どちらが徳かが使ってみないとわからないような料金制度では、積極的に御施主さんに設備投資を進めるわけにはいかなくなってしまうのである。
しかも、契約形態を自分のライフスタイルで選び直せる人とはちがって、建物の設備投資をする人にとっては、建物自体がその契約をセレクトすることになってしまい、後になって自身のライフスタイルに変化が生じたとしても、もう後戻りはできないのである。
電力会社には、このあたりを良く考えて、料金制度の見直しをして欲しいと切に願う。
前回はガス会社が画期的な新製品の開発をして、電力会社の攻勢に楔を打ち込んだという話をした。僕は電力会社が仕掛けたガス会社への料金戦争を、決して快くは思っていないのだけれど、結果としては、ガス会社の持った危機感が新しい製品の開発に向ったという意味では、この切磋琢磨自体を否定はしない。文明とはこのようにして進歩していくものだとさえ思うからである。
ところで、そもそも何故今回のテーマを書こうと思い立ったかというと、電気料金のシステムが少しおかしと思ったのがきっかけでした。
現在エコキュートなどの設備(深夜に沸かしたお湯をためて、日常の給湯をまかなうシステム)をつかって積極的に深夜電力を使おうとした場合の電気契約としては「電化上手」「おトクなナイト8」「おトクなナイト10」などからのセレクトということになるのだけれど、これらは安い深夜料金システムを利用出来る変わりに、規定時間以外(昼間)につかう電気料金は一般の3割増し程度と高い設定になっている。
自分の生活形態(昼型か夜型か)に合わせて、契約を検討する人たちにとって、昼と夜の電気料金がバーターになっていることは多分全然不思議なことではないし、そうしないことには、積極的な電気の夜間利用を促せないので、当然の制度なわけだけれど、建物を建てるときに、安い夜間料金を利用しようと設備投資をする人にとっては、その意味あいは少し変わってくる。
そもそも、夜間電力の利用率を高めて、昼の発電ピークを低く抑えたいというのは、発電効率をあげたい電力会社(もしくは国策としての)の都合であって、利用者側の都合ではない。であるのならば、わざわざ設備投資までして、夜間電力がつかえるように協力しようという人の昼の電気料金を一般より高くするというのは、少しおかしいのではないかと思うのである。というか、多くの一般的な主婦にとっては、昼の時間帯も家にいるわけで、この部分でバーターされてしまったのでは、設備投資して夜間電力を利用しようという意欲はそがれてしまうであろうし、設計士としても、どちらが徳かが使ってみないとわからないような料金制度では、積極的に御施主さんに設備投資を進めるわけにはいかなくなってしまうのである。
しかも、契約形態を自分のライフスタイルで選び直せる人とはちがって、建物の設備投資をする人にとっては、建物自体がその契約をセレクトすることになってしまい、後になって自身のライフスタイルに変化が生じたとしても、もう後戻りはできないのである。
電力会社には、このあたりを良く考えて、料金制度の見直しをして欲しいと切に願う。
by kenzo_stsk
| 2009-12-26 17:26
| ■建築