2011年 02月 25日
スタイリッシュに歴史を継承する |
朝、いつものようにBEAR POND ESPRESSO に行くと…
田中さんが熱烈に話しはじめた。内容は「彼がラジオで言いたかったこと」。昨日紹介したラジオでは、田中さんも音声でインタビューの様子が記録されているのだけれど、どうやら「あれって何を言いたいのかわからなかったよ」というお客さんの声が多かったようである。
彼はニューヨークでのアップルストアーの展開を数店舗見せてくれた上で、こんな話をした。
「金子さん、ニューヨークにはアップルのこんなお店があるんだけど知ってた?(とipadで14th street と、fifth avenue の建物をみせてくれる)」
「いや、はじめてみたね。カッコいいじゃない。」
「これってね、14th street のは、元々肉の市場だったのね。で、建物の外壁を残したままで、中は全部構造からやり直して、リフォームしている。fifth avenue の方は中庭で、小さな噴水のあった場所なんだよ。その地下を掘ってストアーを作り、ちょうど噴水の位置にガラスの箱をつくってエントランスホールにしているってわけ。」
「なるほど、考え方はルーブル美術館のガラスのピラミッドに似ているね。」
「そうそう。共通しているのは、建物や場所の歴史はそのままにして、空間をつくっているってことなんだ。ガラスのエントランスホールとかは、いわば『無』の表現ってわけ。つまりみんなの憩いの中庭をなるべくそのままの形で残したかったわけだね。新しいデザインとかカッコいいものをつくることは簡単だけど、歴史はつくれない。だから、僕がこのお店(もちろんベアポンドのこと)をつくるときも、昔のままを大切にして内部だけに手をいれてつくることにしたんだよ。僕がラジオでいいたかったことって、そういうことなんだよね。」
確かに、最近は日本でも伝統的な建物をどういう風に残していくか?ということをテーマとした建物は多い。でも床面積を増やして収益をあげることを第一と考えることが多いため、超高層ビルの下層階に昔の建物のファサードだけをお飾りのように貼り付けたものとか、あまりカッコいいとは思えない代物が多いのは事実なのだ。その点、アップルのやっていることは、スマートでスタイリッシュだ。高度経済成長の時代は終わったのだから、そろそろ日本もこんな感じでいきたいものである。
田中さんが熱烈に話しはじめた。内容は「彼がラジオで言いたかったこと」。昨日紹介したラジオでは、田中さんも音声でインタビューの様子が記録されているのだけれど、どうやら「あれって何を言いたいのかわからなかったよ」というお客さんの声が多かったようである。
彼はニューヨークでのアップルストアーの展開を数店舗見せてくれた上で、こんな話をした。
「金子さん、ニューヨークにはアップルのこんなお店があるんだけど知ってた?(とipadで14th street と、fifth avenue の建物をみせてくれる)」
「いや、はじめてみたね。カッコいいじゃない。」
「これってね、14th street のは、元々肉の市場だったのね。で、建物の外壁を残したままで、中は全部構造からやり直して、リフォームしている。fifth avenue の方は中庭で、小さな噴水のあった場所なんだよ。その地下を掘ってストアーを作り、ちょうど噴水の位置にガラスの箱をつくってエントランスホールにしているってわけ。」
「なるほど、考え方はルーブル美術館のガラスのピラミッドに似ているね。」
「そうそう。共通しているのは、建物や場所の歴史はそのままにして、空間をつくっているってことなんだ。ガラスのエントランスホールとかは、いわば『無』の表現ってわけ。つまりみんなの憩いの中庭をなるべくそのままの形で残したかったわけだね。新しいデザインとかカッコいいものをつくることは簡単だけど、歴史はつくれない。だから、僕がこのお店(もちろんベアポンドのこと)をつくるときも、昔のままを大切にして内部だけに手をいれてつくることにしたんだよ。僕がラジオでいいたかったことって、そういうことなんだよね。」
確かに、最近は日本でも伝統的な建物をどういう風に残していくか?ということをテーマとした建物は多い。でも床面積を増やして収益をあげることを第一と考えることが多いため、超高層ビルの下層階に昔の建物のファサードだけをお飾りのように貼り付けたものとか、あまりカッコいいとは思えない代物が多いのは事実なのだ。その点、アップルのやっていることは、スマートでスタイリッシュだ。高度経済成長の時代は終わったのだから、そろそろ日本もこんな感じでいきたいものである。
by kenzo_stsk
| 2011-02-25 12:52
| ■文化
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Comments(2)
三菱一号館とかのことですかね。あとは立て直し中の歌舞伎座とか。湘南に住んでいると、古くていい感じに錆びているアパートやマンション、古民家などが結構あります。私は薪ストーブに憧れているので、古民家に住んで暖炉のあるくらしがしたいと思ってます。夫がリタイアしたら軽井沢か鎌倉の古民家に住もうと家族で話しています。
>なおこさま
はい。三菱一号館や歌舞伎座のように高層ビルの足元に以前の建物の雛形が張り付いているようなスタイルって、僕はどうしても好きになれません。日本の場合「残す」と決めると、博物館にいれるかのように残す(明治村のように)のが今までのスタイルでした。僕は建物を使いこなしながら、リメイクしていく今回紹介したスタイルのようなものの方が、建物本来の命を延ばすという意味合いにおいては、本道のような気がするのです。
はい。三菱一号館や歌舞伎座のように高層ビルの足元に以前の建物の雛形が張り付いているようなスタイルって、僕はどうしても好きになれません。日本の場合「残す」と決めると、博物館にいれるかのように残す(明治村のように)のが今までのスタイルでした。僕は建物を使いこなしながら、リメイクしていく今回紹介したスタイルのようなものの方が、建物本来の命を延ばすという意味合いにおいては、本道のような気がするのです。