東京被災事情

夜、飲みに出掛けた。

minimal のマコちゃんが「どこに行ってもトイレットペーパーが手に入らないんだよ。」と本当に困っていたので、夜の11時すぎ、自宅用のを2ロール持って出掛けた。「ご指定商品の配達に来ました！」と元気に店に入ると待ってましたとばかりに大きな笑顔のマスター。「代金はミニビール一杯ということでよろしいでしょうか？」と聞くと、「はいはーい！」とばかりご挨拶のビールが出た。「そうかぁ、物々交換でもお酒ってのめるんですね。僕も今度何かもってきてみよ。」と隣のお客さんも関心している。未だに物々交換で飲めるまちが僕は好きだ。

しばらく他のお客さんたちと地震の話に花が咲く。多くの会社の倉庫が地震でやられてしまい、いろいろな建材が手に入らづらくなっているということ、ツイッターとかでも、なんか地震の真面目な話ばかり流れていて、ちょっと息苦しさを感じていること、子育てで大切に思っていることとか、みんなが最近の生活の中で感じていることをいろいろ話した。「やっぱ人と話すことって大事よね。最近ついテレビのニュースばかりみてしまって、元気全然でなくてさぁ」と子育ての先輩であるらしい年下の女子がしみじみと放った一言が胸に刺さった。

3時間ほど飲んで次の店に移動。ちょっと報告したいことがあったので、白髪のオヤジさんの店にいく。途中、茶沢通り沿いを歩いていて、景色がいつもと全然違うことに突然気がついた。走っている車の群れがすべて「空車」という赤いランプをつけたタクシーだったのである。それも半端な数ではない。LADY JANE に着くまでにお客をのせた緑色のランプをつけた車は一台だけみたけど、あとは全部のすれ違った都合20台くらいのタクシーはすべて赤ランプであった。きっとみんな家にこもってしまってるのだろう。「これじゃぁ、地震で被災するとかいう前に日本経済の方が沈没してしまうなぁ」とリアルに思った。トイレットペーパーは朝から並ばないと買えないし、ガソリンスタンドにもどんどん人が並んでいる。みんな単に安全な場所で原発ショーがみたいだけだとでもいうのだろうか。

みんな、そろそろ普通の生活をしないか？普通の生活ができないで困っている被災者は僕らの他に今五萬といるけど、少なくとも僕らが普通にやってても、全然不謹慎ではないだろうと思うよ。