2011年 04月 16日
未発表コラム(その4) |
■下北沢のビル

金子:駅周辺の地区計画が決まってそろそろ4年。新しいルールによる建物がぽつぽつと出来あがり、町がどのように変わろうとしているのかが具体的にみえてきた。今までのルールでは4~5階建てしかできなったのが、今度は7階までは建つわけだから、5割増しくらいになるイメージかと思っていたら、実際の印象は全然違った。実はいままでの建物は狭い道路からの斜線制限で道際は3階程度だったのが、今度は垂直に7階のものが建ったように見えるので、印象的には2倍以上の高さの建物ができていく感じがする。まだ、建物がぽつぽつとそびえている今はまだいい。このままのっぺりとした7階建てが建ち続けると、下北沢の町はその道の骨格が細いだけに、井戸の底を歩いているような町になってしまうのではないかと不安である。なんか下北沢全体が新宿や渋谷の裏通りをあるいているようで、すごく不気味な雰囲気になってしまうのではないかと危惧している。
松永:南口のカレー屋さん「moona」で食べたとき、窓の外の風景が面白いと思った。非常階段から上る5階のお店の窓から見ると、南口からファーストキッチンに向かって伸びる通りを挟んだビルが見えるのだが、大体5階以上の部分がきれいに斜めに切り取られている。その並び方が面白い。建築上のルールで斜めになっているのだけど、おかげで通りを歩くときには上まで見えず、3~4階くらいまでしかないビルばかりだと思っていた。つまり、開放感が保たれているわけだ。それが高いビルばかりになったら……。白鳥座の「心届かぬままに」という歌に「東京の夏は空が低い」というフレーズがあったが、下北沢も空の見えない、ガラスの絶壁に威圧された街になってしまうのだろうか。最近できたビルも空室ばかりで(地上四階地下一階のうち、二階しか埋まっていない駅前近くのビルもある)、もうこれ以上高くしなくていいと思う。
注:上のコラムはそれぞれが独立した文書として書かれたものであり、会話形式のものではありません。なおコラムの並びは執筆順となっています。

金子:駅周辺の地区計画が決まってそろそろ4年。新しいルールによる建物がぽつぽつと出来あがり、町がどのように変わろうとしているのかが具体的にみえてきた。今までのルールでは4~5階建てしかできなったのが、今度は7階までは建つわけだから、5割増しくらいになるイメージかと思っていたら、実際の印象は全然違った。実はいままでの建物は狭い道路からの斜線制限で道際は3階程度だったのが、今度は垂直に7階のものが建ったように見えるので、印象的には2倍以上の高さの建物ができていく感じがする。まだ、建物がぽつぽつとそびえている今はまだいい。このままのっぺりとした7階建てが建ち続けると、下北沢の町はその道の骨格が細いだけに、井戸の底を歩いているような町になってしまうのではないかと不安である。なんか下北沢全体が新宿や渋谷の裏通りをあるいているようで、すごく不気味な雰囲気になってしまうのではないかと危惧している。
松永:南口のカレー屋さん「moona」で食べたとき、窓の外の風景が面白いと思った。非常階段から上る5階のお店の窓から見ると、南口からファーストキッチンに向かって伸びる通りを挟んだビルが見えるのだが、大体5階以上の部分がきれいに斜めに切り取られている。その並び方が面白い。建築上のルールで斜めになっているのだけど、おかげで通りを歩くときには上まで見えず、3~4階くらいまでしかないビルばかりだと思っていた。つまり、開放感が保たれているわけだ。それが高いビルばかりになったら……。白鳥座の「心届かぬままに」という歌に「東京の夏は空が低い」というフレーズがあったが、下北沢も空の見えない、ガラスの絶壁に威圧された街になってしまうのだろうか。最近できたビルも空室ばかりで(地上四階地下一階のうち、二階しか埋まっていない駅前近くのビルもある)、もうこれ以上高くしなくていいと思う。
注:上のコラムはそれぞれが独立した文書として書かれたものであり、会話形式のものではありません。なおコラムの並びは執筆順となっています。
by kenzo_stsk
| 2011-04-16 11:31
| ・「路字」

