2011年 06月 03日
下北沢・中高層ビル事情(その1) |
先日地区計画の現状をつぶさに調べるため、最近建てられた中高層ビルを見てまわった。


まずは北側、ピーコック裏の無印横に並んで建ったふたつのビル。どちらも低層3階までは店舗、4~7階までは住宅系の用途として設計されている。高層階のテナントはなかなか客が入らないといわれ敬遠されがちなので、このような構成の中層ビルは今後も増えていくだろう。敷地の奥行きなど土地の条件により、右側の建物の方は高層階の部分のセットバック距離が大きく取られており、日照確保の観点からは目指したい形ではあるのだが、すでに土地が細分化されている下北沢においては、このあたえられた法規制の下で、なにか良い提案をすることは実は大変むずかしくなっている。建物の現状を整理しながら、なにが弊害となっているのかまで、ゆっくりとお話したいと思います。
さて、低層の店舗部分は道路ぎりぎりまで建物としても良いが(1階部分は道路の形状を少しだけ広くしたいため、50センチ程度のセットバックが義務づけられていますが…2階以上は可能なルール)、中層以上の部分では(道路での明るさを確保するため)2m以上のセットバックをするというのが、今回の地区計画の壁面指定の大きな特徴だ。そんなルールのため、これから見ていただく多くの建物が、低層部分と中高層部分で壁面の位置を切り替える設計となっています。




写真左上はドコモの入ったビル。右上はドラマ。左下はハンジロウ。右下はサザンヒルズという名称のビル、こちらは井の頭線の高架横です。
ちなみに、ドコモとハンジロウのビルは道路の交差点にあるいわゆる「角地」。ドラマは表と裏の2面を道路に接しているという例外的な接道をしているビルであり、サザンヒルズは一面を道に、一面を線路に接したビルという立地条件となっている。
高層部分を住居にしたいのは必然だとしても、接道の距離が短いとなかなか住居部門への入口を充分とることがむずかしい。だから、この4つの中でいちばん住居との併用計画が楽だったのはドラマのあるビルだったろうと思われる。ほか、ドコモとハンジロウについては「角地」なので、接道距離も長く、そんな計画も可能だったろうとおもわれるのに、そうなっていないのは、下北沢の商業テナントへの高い期待がうかがわれるといえるのかもしれない。で、サザンヒルズである。実はここのような一面道路の条件だけしなもたないビルが、一番多いことになるが、実は一番設計がむずかしい。それは接道距離が短いので、高層階へのエレベーターだとか、避難のための階段だとかへのアクセスと同時に、売上の高い1階店舗の接道スペースも確保するという両立がなかなかむずかしいからである。
一度にいろいろ書いても、読む方も苦痛だろうから、唐突ですが今日はこの辺でおしまいにします。


まずは北側、ピーコック裏の無印横に並んで建ったふたつのビル。どちらも低層3階までは店舗、4~7階までは住宅系の用途として設計されている。高層階のテナントはなかなか客が入らないといわれ敬遠されがちなので、このような構成の中層ビルは今後も増えていくだろう。敷地の奥行きなど土地の条件により、右側の建物の方は高層階の部分のセットバック距離が大きく取られており、日照確保の観点からは目指したい形ではあるのだが、すでに土地が細分化されている下北沢においては、このあたえられた法規制の下で、なにか良い提案をすることは実は大変むずかしくなっている。建物の現状を整理しながら、なにが弊害となっているのかまで、ゆっくりとお話したいと思います。
さて、低層の店舗部分は道路ぎりぎりまで建物としても良いが(1階部分は道路の形状を少しだけ広くしたいため、50センチ程度のセットバックが義務づけられていますが…2階以上は可能なルール)、中層以上の部分では(道路での明るさを確保するため)2m以上のセットバックをするというのが、今回の地区計画の壁面指定の大きな特徴だ。そんなルールのため、これから見ていただく多くの建物が、低層部分と中高層部分で壁面の位置を切り替える設計となっています。




写真左上はドコモの入ったビル。右上はドラマ。左下はハンジロウ。右下はサザンヒルズという名称のビル、こちらは井の頭線の高架横です。
ちなみに、ドコモとハンジロウのビルは道路の交差点にあるいわゆる「角地」。ドラマは表と裏の2面を道路に接しているという例外的な接道をしているビルであり、サザンヒルズは一面を道に、一面を線路に接したビルという立地条件となっている。
高層部分を住居にしたいのは必然だとしても、接道の距離が短いとなかなか住居部門への入口を充分とることがむずかしい。だから、この4つの中でいちばん住居との併用計画が楽だったのはドラマのあるビルだったろうと思われる。ほか、ドコモとハンジロウについては「角地」なので、接道距離も長く、そんな計画も可能だったろうとおもわれるのに、そうなっていないのは、下北沢の商業テナントへの高い期待がうかがわれるといえるのかもしれない。で、サザンヒルズである。実はここのような一面道路の条件だけしなもたないビルが、一番多いことになるが、実は一番設計がむずかしい。それは接道距離が短いので、高層階へのエレベーターだとか、避難のための階段だとかへのアクセスと同時に、売上の高い1階店舗の接道スペースも確保するという両立がなかなかむずかしいからである。
一度にいろいろ書いても、読む方も苦痛だろうから、唐突ですが今日はこの辺でおしまいにします。
by kenzo_stsk
| 2011-06-03 02:05
| ・地区計画

