2012年 03月 17日
ちいさなまち(その4) |
お話にすっかり感激して、そんな町に住んでみたいと、多くの人々がやってきました。突然町に住む人が増えたので、ひとつの丘は家だらけになってしまいましたが、多くの人が住むようになった町には、たくさんのお店ができて、町はたいそうにぎわいました。駅前には立派な商店街もできて、宿屋の主人はホテルのオーナーと呼ばれるようになりました。
ある日ホテルのオーナーは、温泉のお湯を飲むと、とても身体の調子が良くなるという噂を耳にしました。ためしに飲んでみると、確かに身体が軽くなったような気がします。そこで料理長といろいろ工夫をして、食事の後に、温泉のお湯を煮立て、にぎわい草を干して煎じたお茶を振舞うようになりました。そのお茶はとても香りの良いお茶で、ガラスの湯飲みで飲むと、飲むにつれてお茶の色が七色に変わるのでした。お茶の評判は国中に拡がり、オーナーはいつしか、ホテルの横に“にぎわい茶”をつくる工場をもつようになりました。
お茶はどんどん売れたので、たくさんの花が摘まれるようになりました。しかし町に新しく住む人のために、丘にはどんどん新しい家がたちましたので、ホテルのオーナーは、花を手に入れるのに全く苦労をしませんでした。
(つづく)
ある日ホテルのオーナーは、温泉のお湯を飲むと、とても身体の調子が良くなるという噂を耳にしました。ためしに飲んでみると、確かに身体が軽くなったような気がします。そこで料理長といろいろ工夫をして、食事の後に、温泉のお湯を煮立て、にぎわい草を干して煎じたお茶を振舞うようになりました。そのお茶はとても香りの良いお茶で、ガラスの湯飲みで飲むと、飲むにつれてお茶の色が七色に変わるのでした。お茶の評判は国中に拡がり、オーナーはいつしか、ホテルの横に“にぎわい茶”をつくる工場をもつようになりました。
お茶はどんどん売れたので、たくさんの花が摘まれるようになりました。しかし町に新しく住む人のために、丘にはどんどん新しい家がたちましたので、ホテルのオーナーは、花を手に入れるのに全く苦労をしませんでした。
(つづく)
by kenzo_stsk
| 2012-03-17 00:01
| ・「路字」

