指定校変更許可

今日は最後の資料「就学の手続きに関する資料」について見ていこう。

今回の資料は主に守山小の関係者からでた「指定校変更はどのように許可されてきたのか？」を検証するための資料である。実は守山小の指定区域から隣接する区域の小学校への変更を希望するケースが多く、個人的な事情として見逃して良い比率を超えてしまっているのではないか？という疑念があるらしい。それは今回の統廃合が「単学級学校の解消」を目的としておこなわれているのであるから、本来来るはずだった生徒の指定校変更を甘い基準で許してきたことが、守山小を対象校にしてしまったのではないかという疑念である。

資料を読むと、世田谷区が指定校変更に応じる許可基準には以下の10種類がある。
1.身体的理由　2.通学の安全・安心への配慮　3.転居後の継続通学　4.転居予定　5.居所（いどころ）　6.兄姉関係　7.放課後の預かり先に伴う配慮　8.友人関係　9.部活動　10.その他の特別な事情

読んでみて、確かに「えー！」と驚いた。ここではタイトルだけを列挙したので、事由の詳細がわからないものもあるかもしれませんが、個人的には2、8を許すの？と思いました。たとえば2は「環七をこえるのは、小さい子どもには危険に思えます」という理由が通用し、8は「お友達が沢山隣の学校にいくので！」という理由で許可されるということなのだろうか？もしこの程度の理由で変更を認めるならば、ほぼ学校なんて指定する意味あるの？という自由さである。僕らの頃にはこんなこと許されていなかったと思う。実際僕が幼稚園の時の友達はみんな北小の学区域に住んでいたため、6人の仲良しグループからひとりだけ引き剥がされて、東大原小に通うことになったという状況だったのだ。そう、僕はあのとき確かに、権力に引き裂かれるという意味をはじめて知ったのである。

同時に添付書類として配布された「文部科学省の指導」はこれほど具体性をもったものではなかったけれど、どうやらこのあたりの基準を緩めてきた背景には、いじめへの適切な対応ということが根強くあるようだ。「人間関係のことであとでいろいろおこるとやっかいなので、なるべくお子さんやご父兄の意向には耳を傾けるようにしてね」ということなのであろう。

まあ、ここまでゆるい基準にしているというのならば、それはそれで良いけれど、どんな理由で越境した人がどのくらいの人数いるのか？という数値を示して欲しいと思う。なにが不満なのかをきちんと検証してみないことには「適正な学区域の境目がどこにあるのか？」がみえてこないし、今回データとして拝見している人数予測がどの程度確からしい数値なのかも良くわからなくなってしまうからである。