2024年 02月 09日
降雪 |
2月6日火曜日、いつものように6時少し前に目を覚ますと、外は雪景色だった。
夕方のニュースでどうやら雪になりそうだという予報を聞いて、空き地(下北線路街空き地という名前の小田急電鉄の商業施設、以下空き地)にある園藝部(一般社団法人シモキタ園藝部、以下園藝部)の多肉植物の上にブルーシートはかけておいたので、ひとまずの心配はなかったけれど、日課であるラジオ体操会(北沢公園ラジオ体操会、週一水曜日+下北線路街空き地ラジオ体操会、毎日)への発信を確認しつつ、その後の行動について考えた。
家の前の道にでてみるとすでに隣の家の前の道路はすっかり除雪作業が終わっていて、その奥の家は人が一人歩ける程度の幅の除雪がなされていた。雪の日、道の表情は面する敷地に住む人のまちに対する関係や、その性格を如実に示す。ある家では隣の敷地との境界通りにピッシリと定規で線を引いたようにご自宅の前だけを完璧に除雪しているし、ある家では人が通れる一本の道幅だけの除雪が、それぞれのアパートメントのドアまで続いていたりする。僕の場合はちょうどその中間程度で、二人がすれ違うことができる程度の幅だけを除雪して、駅につながるメインの通りまで除雪する。結果駅寄り側の隣家前の自分の土地の前ではない場所の除雪もすることになるわけだが、親戚の家でもあるし、なにより歩行者の通り道がメインストリートまでつながっていないと歩行者道路の意味をなさないので、自然にそんな風になる。
ただ、今朝の場合は少し勝手の違うことになった。例年ならばすでに起きていたであろう隣家に住む母屋の両親が、近年父親の高齢化による車椅のお世話になるなどの生活の変化からか未だ起きておらず、除雪用シャベルの入った物置の鍵が開かなかったのだ。道具がないことには何もできないなぁと家の前で腕を組んで対策を考えていると、家の前の道の一番奥にある敷地のおねーさまが大きな除雪用シャベルをもって一仕事終えた風に門前にいるのがみえた。すぐにメインストリートまでの除雪作業のしたいけれど、道具がないことを伝え、一時的にシャベルをお借りできないかと交渉する。
ご快諾いただいた結果、ものの30分弱で自宅前の雪の処理を終え、そのまま道具を返すのではちょっと申し訳ないので、お借りした方の敷地の周りぐるりの除雪で手伝う部分がないかひととおり見て回った。奥の敷地のご自宅は広い。航空写真でみると小学校と同じくらいの広さがある土地なので、近所でも知らない人はいないお家なのであった。自然、ご近所の除雪状況を見て回ることとなった。ある家では年配の女性が近くの大通りである茶沢通りまでの除雪が終わっていないことを心配していた。お孫さんの通学の際の安全が確保されているかが心配だという。車通りの多い車道の雪は轍状に雪が解けているし、車の通行の邪魔になる雪を歩行者通路側に除雪するケースが多いので、自然歩行者はいつもより車道の脇を通行することになり、お孫さんの安全が心配になるわけだ。一応通学路の印である緑色のカラー舗装部分はすでに除雪が追わていることを確認し、車と人がお互い配慮しながら通行すれば、ひとまずは安心ではないかとの声がけをし別れた。
お借りした道具を門前に返して、一度家に戻ったあと、急いで駅に向かった。下北沢の南西口から線路跡地の駅前道路(小田急線の地下化工事によって発生した上部利用の一環で生まれた道路のこと)のはずれに面する我らがシモキタ園藝部の拠点まわりの除雪が気になったからである。
駅を通ると、駅周辺はちょうど電鉄関係者がコンコース前の除雪を終えた段階で、中央口に続くスロープなどはまだ雪が積もったままの状態であった。おつかれさまですと一声かけて、シモキタエキウエと呼ばれる駅の施設内通路を通って南西に向かう。のはらに続く立体緑道や階段の上はまだ雪だらけで、その脇の地上部分の駅からのメインストリートもまだほとんどの部分が雪に覆われていた。一部例外はのはらの脇の一部が人ひとりが通れる程度の幅で除雪作業がはじまっており、最初は小田急電鉄の社員の方が除雪をしてくださっているのかなと思っていた。結局最後にはその方も僕と同じシモキタ園藝部に最近入られた方で、よく見知った方のご子息だったと気づくのであったわけだが。
園藝部の通信手段であるスラックでの書き込みを確認しつつ、除雪用シャベルを確保しようとしていると、拠点の前の道でみたことのない除雪機が置いてあるのを確認しつつ、ここに置いてあるということは間違いなく園藝部のものであろうと想像し、違った時は謝って返せば良いよねと勝手に判断しつつ、試用してみた。これが一押しで歩行者二人がすれ違えるくらいの幅を一気に除雪できる優れもので、これを雪の日に寝かせておく意味はないよなと勝手に使い始めた。誰かのもちものであれば、この場所で除雪しているうちに声がかかるであろうし、盗んでしまうわけではないのだから、良しとしようとの独断である。一足前に一人分の幅の除雪をしてくれている先人の道を拡げるように除雪作業を続けた。
1時間弱、除雪作業を繰り返すと駅前まで到達したので、先人とお話して脇の階段の除雪に手をつけることにした。駅前道路わきの植栽管理を委託されている園藝部にどこまでの除雪作業が責任づけられているのかは詳しく知らないが、階段で滑って落ちたら大怪我につながるわけだから、そこまではやろうとの判断であった。友人の息子さんはあと15分くらいでここを離れなければならないとのことだったので、先行して階段の除雪に手を付けてもらい、追いかけるように手頃なサイズのシャベルをもって後を追った。
目標の除雪作業を一通り終えて拠点にかえると、園藝部のメインメンバーで一番乗りだったコエビちゃんが心配して拠点に来ていて、彼女に除雪機がどんなに凄いかを説明して(その時はこれが園藝部の所有物であるとの確認も終えていた)「ちょっと使ってみたいでしょ?」と作業を促して一息いれた。
道具が良いと作業も楽しい。また雪が降ったら一番に来ようっと。
by kenzo_stsk
| 2024-02-09 03:35
| ■生活






