2024年 04月 27日
誰もがまちづくりに主体的に関わるために |
三浦ゼミ研究発表、第5回は日向野さんの「街の余白の可能性からまちづくりの主体性を考える」というレポートです。
これは、まちづくりに主体的に関わる人を増やしながら、まちへの愛着を高めていくために何が必要だろうかということについて真面目に考えた論考である。やや論が独自の考えだけを頼りにしているため、論証にまで至っていないのではないかという部分もあるが、これは長年まちづくりに関わってきたものとしては、耳の痛い話であり、本当にどうすれば、主体的にまちづくり関わってくれる人が増えるのだろうと思うここ10年である。彼は、リンクパークやシモキタリングのまちづくり活動を「街の余白」と捉えて、まちづくりを上手に育てるためのエッセンスを探っているようなのだが、そんなうっかりと誰もが触れることのできる街の余白から、自主的なまちづくり活動につなげていくことは実に難しいのである。僕自身もより自主的にまちづくりに関われる手段が身近にあるような新しい種をまちに撒き続けていきたいと思います。
では、以下に日向野さんのレポートを掲載します。
街の『余白』の可能性からまちづくりの主体性を考える
三浦スタジオ二年次発表要約 日向野 温
「街の『余白』の可能性からまちづくりの主体性を考える」というテーマに至った背景として、まず官民連携まちづくりが近年促進されている潮流を挙げたい。施策によってそれらがポピュラーなものになりつつあるが、私は「代表性」という観点で課題が存在すると考えた。「代表性」を高めるためにはより多くの人々がまちづくり活動に関わる必要がある。そこで、まちづくり活動への主体性向上が重要なのではないかと考えた。
そこで、先行研究では、二つの研究を通して、人々が地域に抱く愛着に着目し、それが主体性向上にどのように関わるのかをまとめた。結果として、地域が好きという気持ちではなく、地域と繋がっているかが地域活動への主体性に繋がること、そして、社会的環境(住民間の交流やイベントの充実等)の向上が地域の人の愛着の形成に関わることが分かった。
ここまでの内容を踏まえて、「好き」⇒「つながり感」⇒「地域活動への参加」という流れで主体性が培われていくのではないかとまとめる。では、どのようにして主体性を向上させればよいのか。私はここに街の「余白」という概念が関わっているのではないかと考えた。
下北沢で感じた街の「余白」を二点挙げたい。一つ目は、リンク・パークにおける空間とルールに関する「余白」。運営の大木さんへのインタビューを通して、この「余白」は地域を好きになる気持ちや繋がりを芽生えさせるものであると捉えた。二つ目は、シモキタリングにおける官民連携における「余白」。シモキタリングに一年間関わったことや、まち課へのインタビューを通して、まちづくり団体内外の人の主体性向上に寄与するものだと捉えた。今後はこの考察の信頼性を上げることを目標に、「代表性」や「余白」の概念を学術的に掘り下げることや街の人へのインタビューを行い、具体的な言説を集めることを行って研究を進めていこうと考えている。
by kenzo_stsk
| 2024-04-27 08:39
| ・三浦ゼミレポート


