2009年 01月 06日
武者ゼミレポート(その1) |
年末の約束どおり、「武者ゼミレポート」について感想を書きます。
一度に全部について書くほどの体力はないから、ひとつずつ。全部について書けるかは未定です。
今日は最初のレポート「統計からみた下北沢」という論文について。
これは表題のとおり、データを調べてみることで、下北沢が現在もたれている印象は正しいのかを検証しつつ、その実像を浮彫りにし、また新たな問題点を指摘しようと試みたレポートです。論者が着目した論点は以下のふたつ。
1.若者の街下北沢と高齢化の問題
2.下北沢の商業とはいかなるものか
1.では、世田谷区の戦後60年の人口推移を示した上で、下北沢の4地区(代田5、北沢1、北沢2、北沢3)の過去45年の人口推移を比較して、まず世田谷区が30万から80万と大きくその人口を伸ばしてきたのに対して、下北沢は代田5丁目と北沢1丁目がほぼ横ばいで、その他の北沢2丁目3丁目は3分の2くらいまでその人口が減少してきていることに注目。そのあと、各地区の高齢化率をみて、その現象がどういう意味を持っているのかを想定しています。
これによると、代沢5丁目では高齢化率は低いが、単身世帯率は高く、北沢3丁目では高齢化率は高いが、単身世帯率は低い。論者はこれによって北沢3丁目の方が、子世代との同居が多いと考え、その理由を「より高級住宅街だからだろうか?」としています。

2.では、世田谷区全域にわたる業種構成のバランスを確認した上で、北沢地域が他の地域と比較して繊維業が多いことに注目。各地域の事業所数と事業所あたりの販売額の表を繊維業と飲食業について比較した上で、地域別の事業所数増減率と販売額増減率を読み込んで分析をしています。
これによると、事業所数は東京都の-4%を筆頭に、世田谷区-7%、北沢地域-10%、下北沢-8%とのきなみ事業所数は減っているのに対して、地域別販売額は東京都と世田谷区は1%弱の微増であるのに対して、北沢地域は-13%、下北沢は-8%強の減少を示しており、これを大規模店へと購買が集中している現象のあおりを小規模店舗の集積である下北沢が大きく受けているからではないかと結論付けています。
さて、まずきめ細かいデータ分析を試みたことに、敬意を表します。僕自身このようなデータを集めてみたことはいままでありませんでした。そして1では、下北沢を中心とした住宅地区である代沢5丁目と北沢3丁目でこんな違いがあらわれたことに、新鮮な驚きを感じましたし、2のデータもなるほどと思わせるものがあります。
さて、感想ですが、まずは1から。
代沢5丁目と北沢3丁目の違いを論者は「高級」という言葉で比較するべきかなやんでいるようですが、 僕もこの言葉ひとつで括るのはまず危険だと思います。その実体をよりしっかりとつかむためには、両地区の敷地面積平均をみて、どちらの地域がより敷地が広いかをみてみると「高級感」との論証がたつのではないかと思います。より広い敷地の方が、高級な使い方ができる可能性が高いはずですから。また、高齢化や単身率のデータと単純に結びつけてしまうのも、どうかと思います。まず、このデータだけではこの地域にどのくらいの時間住み続けているかがわかりません。例えば、リタイアした夫婦が退職金などを持って、高級マンションに引っ越した場合、このデータでは、高齢者で単身者ではあらずというカウントになるわけですが、子供と同居しているわけではないかもしれませんね。つまりデータが示す高齢者が「不動」のものであると考えてしまうと、思わぬ事象に足をすくわれてしまう可能性があるのではないでしょうか。
2については、まず世田谷区の5地域に対する事業所数と事業所あたりの販売額のグラフがとても面白かったです。玉川地域の方が事業所数は多い(繊維業も飲食も)のに、事業所あたりの売上は繊維ではあまりかわらない(どちらの地域も好調ということかな)とか、飲食では玉川地域だけ他の4地域よりも落ち込んでいるなんていうことをあまり想像もしたことがありませんでした。

ただ、これも理由について、あまり単純な結論を導くことには、やはり慎重にならなければいけないと思います。その地域がどの範囲から、どの程度の人数が買い物に集まる地域であるかとか、その販売数データが、そのデータにとってふさわしい数値であるかをもっときめ細かくみる必要があると思うからです。また、販売数は多ければ多いほど良いのだと簡単に考えてしまうことも危険ですよね。僕はその場所に見合った商売の仕方があると思うし、生活がきちんと立ち行けば、そんなにたくさん稼ぐ必要なんてないんじゃないかと実は思っています。それよりも、必要以上の時間は子育てや地域活動につかって、濃厚なコミュニティをつくることが、これからの高齢者社会を乗り切る手立てではないかと感じているからです。単純に「単身の高齢者が多いこと」が危険と思われないような社会をどうつくっていくかが実は大切なのではないでしょうか。
一度に全部について書くほどの体力はないから、ひとつずつ。全部について書けるかは未定です。
今日は最初のレポート「統計からみた下北沢」という論文について。
これは表題のとおり、データを調べてみることで、下北沢が現在もたれている印象は正しいのかを検証しつつ、その実像を浮彫りにし、また新たな問題点を指摘しようと試みたレポートです。論者が着目した論点は以下のふたつ。
1.若者の街下北沢と高齢化の問題
2.下北沢の商業とはいかなるものか
1.では、世田谷区の戦後60年の人口推移を示した上で、下北沢の4地区(代田5、北沢1、北沢2、北沢3)の過去45年の人口推移を比較して、まず世田谷区が30万から80万と大きくその人口を伸ばしてきたのに対して、下北沢は代田5丁目と北沢1丁目がほぼ横ばいで、その他の北沢2丁目3丁目は3分の2くらいまでその人口が減少してきていることに注目。そのあと、各地区の高齢化率をみて、その現象がどういう意味を持っているのかを想定しています。
これによると、代沢5丁目では高齢化率は低いが、単身世帯率は高く、北沢3丁目では高齢化率は高いが、単身世帯率は低い。論者はこれによって北沢3丁目の方が、子世代との同居が多いと考え、その理由を「より高級住宅街だからだろうか?」としています。

2.では、世田谷区全域にわたる業種構成のバランスを確認した上で、北沢地域が他の地域と比較して繊維業が多いことに注目。各地域の事業所数と事業所あたりの販売額の表を繊維業と飲食業について比較した上で、地域別の事業所数増減率と販売額増減率を読み込んで分析をしています。
これによると、事業所数は東京都の-4%を筆頭に、世田谷区-7%、北沢地域-10%、下北沢-8%とのきなみ事業所数は減っているのに対して、地域別販売額は東京都と世田谷区は1%弱の微増であるのに対して、北沢地域は-13%、下北沢は-8%強の減少を示しており、これを大規模店へと購買が集中している現象のあおりを小規模店舗の集積である下北沢が大きく受けているからではないかと結論付けています。
さて、まずきめ細かいデータ分析を試みたことに、敬意を表します。僕自身このようなデータを集めてみたことはいままでありませんでした。そして1では、下北沢を中心とした住宅地区である代沢5丁目と北沢3丁目でこんな違いがあらわれたことに、新鮮な驚きを感じましたし、2のデータもなるほどと思わせるものがあります。
さて、感想ですが、まずは1から。
代沢5丁目と北沢3丁目の違いを論者は「高級」という言葉で比較するべきかなやんでいるようですが、 僕もこの言葉ひとつで括るのはまず危険だと思います。その実体をよりしっかりとつかむためには、両地区の敷地面積平均をみて、どちらの地域がより敷地が広いかをみてみると「高級感」との論証がたつのではないかと思います。より広い敷地の方が、高級な使い方ができる可能性が高いはずですから。また、高齢化や単身率のデータと単純に結びつけてしまうのも、どうかと思います。まず、このデータだけではこの地域にどのくらいの時間住み続けているかがわかりません。例えば、リタイアした夫婦が退職金などを持って、高級マンションに引っ越した場合、このデータでは、高齢者で単身者ではあらずというカウントになるわけですが、子供と同居しているわけではないかもしれませんね。つまりデータが示す高齢者が「不動」のものであると考えてしまうと、思わぬ事象に足をすくわれてしまう可能性があるのではないでしょうか。
2については、まず世田谷区の5地域に対する事業所数と事業所あたりの販売額のグラフがとても面白かったです。玉川地域の方が事業所数は多い(繊維業も飲食も)のに、事業所あたりの売上は繊維ではあまりかわらない(どちらの地域も好調ということかな)とか、飲食では玉川地域だけ他の4地域よりも落ち込んでいるなんていうことをあまり想像もしたことがありませんでした。

ただ、これも理由について、あまり単純な結論を導くことには、やはり慎重にならなければいけないと思います。その地域がどの範囲から、どの程度の人数が買い物に集まる地域であるかとか、その販売数データが、そのデータにとってふさわしい数値であるかをもっときめ細かくみる必要があると思うからです。また、販売数は多ければ多いほど良いのだと簡単に考えてしまうことも危険ですよね。僕はその場所に見合った商売の仕方があると思うし、生活がきちんと立ち行けば、そんなにたくさん稼ぐ必要なんてないんじゃないかと実は思っています。それよりも、必要以上の時間は子育てや地域活動につかって、濃厚なコミュニティをつくることが、これからの高齢者社会を乗り切る手立てではないかと感じているからです。単純に「単身の高齢者が多いこと」が危険と思われないような社会をどうつくっていくかが実は大切なのではないでしょうか。
by kenzo_stsk
| 2009-01-06 17:08
| ・武者ゼミレポート

