2009年 01月 27日
武者ゼミレポート(その5) |
その5、「下北沢南口商店街における店舗の立地と動態」という論文について。

この論文は、下北沢南口商店街の現状を、業種や業態、地価、組合との関係などを調べることによって把握し、店舗における「下北らしさ」というものをより鮮明に定義づけ、未来の下北沢が抱えるであろう問題を提起している。
この論文は力作であった。データ解析に使った店舗数が459店舗というその圧倒的な数にも頭が下がったが、扱う店舗を100店以上展開している「メガチェーン」、下北沢以外に2店以上ある「チェーン」とそれ以外の「個人」に明確な分類をし、それらが、どのような業種であるか、何階に位置しているか、営業時間帯はどうか、地価はどうか、組合には加入しているか否か、再開発へ反対の意思表示をしている商業者協議会へは加入しているか、という非常に細かい条件によって分析した。結果、「まずメガチェーンは地価が高い地点で一階に出店している傾向があり、組合加入率が高く協議会加入率は低い。24時間営業の店舗もあるが、昼の営業が多く、昼間はメガチェーンが目立つ存在になっている。一方チェーンは飲食店が多く、地価は中間的な価格だが、地下や2階以上での営業が多い。また飲食店が多いために夜間を中心に営業する店が多く、夜間はチェーン店が目立つようになる。これに対して個人店は、地価が安い地点に出店している傾向があるが、一階での営業も多い。組合加入率は低く協議会加入率は高い。チェーン店の数はそれほど多くはなく、一見してチェーンばかり目立ってしまうのは立地条件の良さや規模の大きさによるもので、現時点では街に溶け込んでいる部分もあると言えるだろう。」という状況分析をしている。
さて、莫大なデータによって、町がどのようにチェーン化していくのかを細かく分析したことも面白かったのですが、それを開発への反対運動とも関連付け、どのような立場にある店が反対している傾向があるかを分析したのは、とても興味深い試みであると思いました。これは商業者協議会が今後自己分析をするためのとてもよい資料になると思います。そしてまた、運動が「反対運動」である限り、このデータが示す以上の盛り上がりをつくることはなかなか難しいだろうということも、とても良くわかりました。つまり町を良くするための方法を真剣に考えるならば、単に計画道路がないだけでよいということでは多分ないはずで、それプラス、まちに何を望むのかをより鮮明にしていくと、運動は決して道路の反対運動には留まらないはずであり、より多くの市民が声をあげられる環境を作りうるのではないかという希望を持てました。
莫大な労力のかかる分析をしてくださったことに感謝します。

この論文は、下北沢南口商店街の現状を、業種や業態、地価、組合との関係などを調べることによって把握し、店舗における「下北らしさ」というものをより鮮明に定義づけ、未来の下北沢が抱えるであろう問題を提起している。
この論文は力作であった。データ解析に使った店舗数が459店舗というその圧倒的な数にも頭が下がったが、扱う店舗を100店以上展開している「メガチェーン」、下北沢以外に2店以上ある「チェーン」とそれ以外の「個人」に明確な分類をし、それらが、どのような業種であるか、何階に位置しているか、営業時間帯はどうか、地価はどうか、組合には加入しているか否か、再開発へ反対の意思表示をしている商業者協議会へは加入しているか、という非常に細かい条件によって分析した。結果、「まずメガチェーンは地価が高い地点で一階に出店している傾向があり、組合加入率が高く協議会加入率は低い。24時間営業の店舗もあるが、昼の営業が多く、昼間はメガチェーンが目立つ存在になっている。一方チェーンは飲食店が多く、地価は中間的な価格だが、地下や2階以上での営業が多い。また飲食店が多いために夜間を中心に営業する店が多く、夜間はチェーン店が目立つようになる。これに対して個人店は、地価が安い地点に出店している傾向があるが、一階での営業も多い。組合加入率は低く協議会加入率は高い。チェーン店の数はそれほど多くはなく、一見してチェーンばかり目立ってしまうのは立地条件の良さや規模の大きさによるもので、現時点では街に溶け込んでいる部分もあると言えるだろう。」という状況分析をしている。
さて、莫大なデータによって、町がどのようにチェーン化していくのかを細かく分析したことも面白かったのですが、それを開発への反対運動とも関連付け、どのような立場にある店が反対している傾向があるかを分析したのは、とても興味深い試みであると思いました。これは商業者協議会が今後自己分析をするためのとてもよい資料になると思います。そしてまた、運動が「反対運動」である限り、このデータが示す以上の盛り上がりをつくることはなかなか難しいだろうということも、とても良くわかりました。つまり町を良くするための方法を真剣に考えるならば、単に計画道路がないだけでよいということでは多分ないはずで、それプラス、まちに何を望むのかをより鮮明にしていくと、運動は決して道路の反対運動には留まらないはずであり、より多くの市民が声をあげられる環境を作りうるのではないかという希望を持てました。
莫大な労力のかかる分析をしてくださったことに感謝します。
by kenzo_stsk
| 2009-01-27 11:47
| ・武者ゼミレポート

