シモキタな日々

Hanako その後

「Hanako」掲載記事に関することで、経済ジャーナリストの荻原博子さんからメールをいただいた。

丁寧なお詫びの文書である。直接電話で話をしたときの印象も、特にこの問題に関して詳しくご存知だった上で、意図的に今回のような記事をだしたということではなく、これがどういう影響を及ぼすかまではあまり考えずに、思っていたことを言った結果ということのようであった。まあ、すでに出版されてしまっているものに対して、どこまでのフォローが可能なのかは今後の課題でもあるのだが、この件に関しては、出版元のマガジンハウス社からも問題部分に関する訂正を出していただけることになっている。

【以下ご本人の承諾を得た上で、荻原博子さんからのメールを添付します】

金子さんへ

ブログ、拝見しました。
お電話でもお話ししましたが、今回は、私の認識不足で不愉快な思いをさせてしまったこと、申し訳ありませんでした。
発言に慎重さを欠いた面もありました。

金子さんを始めとして多くの方々が、下北沢のことを心から心配し、勉強し、活動していらっしゃるということがよくわかりました。今後は、これをきっかけに、皆さんの活動をしっかり見ていきたいと思います。そして、私なりにいろいろな角度から下北沢を考えていこうと思います。

個人的なことですが、八百屋も魚屋も肉屋も次々と潰れて、ある日突然ケータイショップやおしゃれ小物の店になってしまっている下北沢ですが、この夏、一番驚いたのは、ついに私の事務所の下にあった大家の店まで潰れたことでした。店を守るために、あの手この手でやれることは全部やったのに客足は減るばかり。従業員のおばちゃんたちにも、いろいろと親切にしてもらっていたので、さみしい気がます。ところが、潰れた大家の店の後に入ってきたファッショナブルなお店は、オープン当日から若者で大繁盛。これが今の下北沢の現実なのでしょうか。

Sound of Shimokitazawa

17日の木曜日、渋谷でS.O.S.（Sound of Shimokitazawa）のイベントがあった。

出演者は、私たちの活動を精力的に応援してくれている曽我部恵一さんをはじめ、無戒秀徳さん、峯田和伸さん（銀杏BOYZ）、海北大輔さん（LOST IN TIME） という豪華な顔ぶれ。渋谷のOn air Easｔ のチケットは完売、1300人が集まった。

僕はほとんど署名・バッジ販売ブースにいたので、ライブの詳細を知ることは出来なかったが、どうやらすごいライブだったらしい。当日集まった署名が335名、売れたバッジは200個という数字だけをみても、その勢いのすごかったことは想像できる。

集まった署名をカウントしていると、明らかに自宅から持ってきてくれたのだろうなと思われる、細かく折り線がついたものや、署名用紙を使わずに、メモ用紙に反対の意思表示の記名、拇印が押されているものなどがあった。これが署名として正式に通用するのかはさておき、友達が集まって、下北沢のことについて話をしてくれたのだろうなと思うと、とてもうれしい。「下北沢のことを考えることからはじめよう！」という主旨ではじまったS.O.S.の活動は大きな効果をもたらしたといえるだろう。「音楽の力」僕も信じています。

Hanako

HanakoのNo.861(11/23号）、特集『知らなかった「下北沢」』を読んだ。12ページに掲載されている下北沢再開発問題に対する地元の経済ジャーナリスト荻原博子さんのインタビュー記事のことだ。

ここでは経済ジャーナリストらしい視点で現在の下北沢の抱える経済的な問題点を指摘し、このままの下北沢ではいけないのだという論を展開している。これは街ではよく耳にする話だが、いままでこのような視点でマスコミが問題提起をした記事はあまりなかったという意味で評価したい。しかし評価するのはここまで。

その後の以下2点の記述に関しては、はっきりとここで異議をとなえさせていただくことにする。

１．【高層再開発を誘導するような地区計画に関して】
高層ビルの建設が可能になるので、巨大な商業施設が誘致され、新しい商業地域ができるのはないかと考えられている。‥(一部省略)‥荻原さんはそう簡単には巨大施設ができることはないという。「この街は権利関係が複雑に入り組んでいるから、大きな土地をまとめることは現実的に難しいと思います」

２．【防災について】
防災の面から道路整備の必要性は否めない。「救急車が入れない、消防車が行けないという場所があることは事実だし、‥省略‥反対派の人も署名運動をするだけではなく、この街の良さを残しながら、どう共存していくのかを考えていくべきなんだと思いますよ」

■１．に関して
私は現実に土地をまとめて高層ビルを建てることがどの程度の確率でおこるのかということ以前に、そういう誘導的な制度をつくること自体に反対しているのです。制度をつくるということは、ある意図をもって高層ビルが建つ街へと変化させていこうという意思表明であり、それが「シモキタらしさ」を殺してしまう方向性を持っていることに私は異議を唱えています。

■２．に関して
防災の問題に関して、“Save the 下北沢”は代替案において、ひとつの解決方針を示しています。そのアイディアに対して意見をするのでもなく、当方の活動をまるで「反対署名だけをしている活動」かのようにコメントしたことに関してはとても不愉快です。下北沢の駅前に事務所を構えている経済ジャーナリストという肩書きをなのるからには、意図的であったかどうかに関わらず、この誤報に関しては謝罪を求めます。

＞Hanako担当者さま、および荻原博子さまへ
このブログに関する反論等をおこなった際には是非ご一報ください。

都道か？区道か？？

昨日、北沢支所の街づくり課とミーティングをした。

街づくり課は54号線や地区計画における世田谷区の担当部署である。今回のミーティングのテーマは、半年近く前（6月7日）に提出した要望書などについて、何の正式な回答もいただいていないことについてであった。

街づくり課の回答は大体以下のとおり。

１．署名は確かに区長に届けた。
２．別途の書類(交通量調査や代替案など）については、費用便益に関する勉強会を内部で持ったり（これには“Save the 下北沢”も数名参加させていただいた）、議会に対して報告をおこなうなど、区としては個別に熱心な対応をしているつもりである。
３．総論(54号線の中止等)については手続きを踏んで決めてきたことなので、簡単に了承できる問題ではなく、まず議会などでの説明が先だと考えている。
４．区長は道路が必要だと考えているため、中止にはしない方針。スケジュールはかわらず、今年度一杯の事業認可に向けて粛々と進んでいる。

対して、僕らの言い分‥

・すべてのことに関して、書面で回答するべきことであるとはこちらも考えていないが、各ケースに対する窓口の確定については、書面による回答をお願いしたい。

・費用便益に関する勉強会の後、区に提出した質問状に対して、委託業者であるトーニチコンサルタントからはほんの一部の回答があったのみ。これは不信な部分に関して再計算を求めるような対応に時間のかかる種類の要求ではなく、単にデータを扱う上でなにを根拠にしたか？など、すでに結果の出ている計算の詳細を問う性質のものである。それにもかかわらず、4ヶ月も期待した回答がいただけないことはとても熱心な対応をしていただいているとは理解しずらい。

・下北沢の問題に関して都市計画審議会で現状説明がおこなわれたことはよく知っている(傍聴しました）がわれわれが提出した代替案に関しては配布資料としてさえあつかわれておらず、別途こちらから委員のみなさんに送付させていただいた。このような扱いをもって熱心な対応と考えていることには少し驚きました。

大体こんな感じ。。議論は予想していたとおり平行線であって、むこうも次の時間のことばかり気にしているので、要求だけを明確にして早々に切り上げることにしたわけだが、別れ際こちらが何気なく質問した「54号線は都道というあつかいでよろしいのですよね」という確認に対し、区が「いえ、手続きや施工の関係性から区道ということになると思います」と言い放ったのには正直驚いた。今までずっと区はこの道路を「施工するのは区であるが都道である」と説明してきたからだ。

都道か区道かってそんなに簡単に変わるものなの？？
この結論に至った原因については少し調べてみる必要があるだろう。

ビル

ピエール主催のパーティに出かけた。ピエールは“Save the Shimokitazawa Night”のイベントで会場を無料提供してくれた、今はなき下北沢の名物店舗「Pierot」のオーナーである。

旧Pierotからも近い今回の会場は地下に大戸屋が入るビルの４階。20人程度が野外テラスも利用できる開放的なお店(antena)であった。野外を楽しく利用できる場所はシモキタにとってかなり貴重であると考えているので、とても興味深く、外の席で部屋から聞こえてくるライブを楽しんだ。

しかし、どうもシモキタで飲んでいるという感じがしない。“Save the 下北沢”の共同代表であるしもへいさんと一緒だったのだが、「なんか六本木あたりで飲んでいるような感じがするね」というのがふたりの共通意見であった。お店はとてもスタイリッシュで、きれい。夜の４階から見下ろすシモキタの風景もいつもの見慣れた街とは違ってみえた。「大体、シモキタのお店でたとえ４階であっても、エレベーターであがれる店ってあまりないよね」としもへいさんが言う。確かに！シモキタでは４階でも階段しかついてない古い建物が大方である。

現在世田谷区が計画している地区計画では、今後シモキタは全体に７階建てくらいにしていこうという方針だ。（同時に54号線や駅前ロータリーに面する敷地には17階程度までの優遇制度を設けようとしており、このことに関しては僕らは道路とともに反対を表明しているのだが、そのことはまた今度書くことにしよう）今は4階からみる夜景はシモキタの最上階からみる景色という感じなのだけど、そうなるとここも街の中間程度の高さということなるのだなぁと考えながら街を見た。

そういう街になじめるかなぁ？？と思う。そして、しばらく４・５階にあるシモキタの店を巡ってみようと決心した。